電脳遊戯 第7話


秘密主義の魔王と魔女の相手をしても埒が明かないと、スザクは寝室を後にした。
ジェレミアがいれば話は早いのだが、今は遠征中。
ならばロイドとセシルだと、スザクはランスロットの元へ向かった。
格納庫には、ロイドが目の下にクマを作りながらも楽しげにランスロットを弄っていた。
疲れ過ぎているのだろう。
テンションが可笑しなことになっているらしく、くるりくるりとしきりに回っている。
そんなロイドをセシルが止め、もう少し仮眠するよう説得していた。

「でもねえセシル君。あのままじゃ陛下、出てこれないでしょ?はやくランスロットの整備終わらせてあっちに戻らないと」

そう言いながらもリアクションはいつも以上に大きく、作業効率は普段の半分以下。
言ってることとやっている事がちぐはぐになっている状況にロイド一人気づいていない。整理されているとはいえ、いくつもの機材が置かれ、コードが伸びた場所でのオーバーリアクション。
おぼつかない足元と相まって、見ている側からすれば事故が起きるまで秒読み段階。そんな中で、とうとう長く伸びたコードの一つをロイドが踏みつけ、端末から先端が抜け落ちたのだが、ロイドはそれにすら気づいていなかった。
この状態での作業は危険だと、スザクはロイドに声をかけた。

「ロイドさん」
「ん~?あれ?スザク君も来たの?」
「コード、踏んでますよ」
「え!?」

ロイドが慌てて下を見ると、踏みつけられたコード。

「うわああああ!?いつの間に!?ああ、抜けちゃってるよぉ!」

顔色を変えたロイドが慌ててコードを元の位置に刺す。

「ロイドさん、一度休んだ方がいいと思います。何かのミスでランスロットが壊れたら」
「止める!休~憩~!あー、もー、僕とした事がこんなミスするなんて~」

スザクが言い終わらないうちに、ロイドは作業終了を告げた。その様子にセシルが安堵の息をこぼす。

「スザク君、何か飲む?」

セシルが疲れた顔に笑みを浮かべ、そう尋ねてきた。

「いえ、大丈夫です。セシルさんも休んでください」

ロイドはさっさとこの部屋の奥に用意されている仮眠室へ入っていった。

「そうさせてもらうわ。でも、スザク君聞きたい事があってきたんでしょう?陛下から話しは聴けたの?」
「ルルーシュがギアスでプログラムの中に入った事は解りました」
「そう。今、私とロイドさんは、少しでも陛下が安全になるようにプログラムの解析をしている所なの」
「出口が用意されているんですよね?」
「ええ。簡単に説明すると、陛下は今ゲームの世界にいるの。そのゲームは迷路のようになっていて、最終的には出口にたどり着けるようになっているわ」
「ゲームのプログラムなら、弄ってすぐに出口を作れるんじゃないですか?」

ルルーシュの目の前に出口を組み込めば終わるはずだ。

「それはできないのよ。ゲームを構成する大きなプログラムを弄ってしまうと、そのゲームの世界が破綻してしまう危険性があるの。だから、私たちは少しでも陛下の安全を確保できるよう、今は音声と映像に関わるプログラムを解析している所なの。もっと鮮明な画像がみれれば、あるいは細かな音が拾えれば、あの回廊から抜け出すヒントも見つかるかもしれないでしょう?あと、できれば視点を増やしたいと思っているの。今は設定されているカメラが一つで、1方向しか見れないけど、陛下の周り全てを・・・ごめんなさいね。簡単にと言ったのに長くなってしまって」

私も疲れているのね。
セシルは困ったように苦笑した。

「いえ、ルルーシュ達よりずっとわかりやすいので助かります」

あの秘密主義者たちは何でも隠してしまうし、嘘も混ぜてくるから信用出来ない。

「迷路の構造を簡単にしたり、配置されている敵を消せれば楽でしょうけど、そこをいじるのも危険なのよ」

ため息交じりのセシルの言葉に、スザクは眉を寄せ「ありがとうございます、何かあったら呼びますので休んでください」と、言った後、ルルーシュの寝室へ戻った。
寝室の中にはC.C.が眉間にしわを寄せ、額に冷え○たを張った状態でこちらを一瞥した後、また来たのかと嫌そうに言った。

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